続・赤い流れ星
実は、そんな頃…
私とシュウはついに結ばれた。

いつかそうなることはもちろんわかってたし、不安はありつつもちょっとした期待もあった。
ただ、きっかけは私が予想していたものとは全く違ってて…
なんでそんなことになってしまったのかも、実ははっきりとは覚えてない。
あの頃は精神的にボロボロだったから、シュウと心だけじゃなく身体も繋がることで絆が強くなるとでも考えてしまったのかもしれない。

どんなことをするのかは一応知ってたつもりだったけど…実際は、小説や漫画にあるのとは全然違ってて…
正直言って、気持ち良いなんて少しも思えなかった。
そのことで、もしかしたら私はおかしいのだろうかと悩んだり、シュウのことが急に怖くなったり、シュウががっかりしたんじゃないかって不安になったりでますます私は精神的に不安定になってしまった。
毎日泣いたり怒ったり…急にあてもなく外を駆け出したりした私を、シュウはずっと優しく見守ってくれた。
どんなに酷い迷惑をかけても、シュウはとても我慢強く私を支えてくれた。



何を話してた時だっったかは忘れたけど、ある日、シュウが「俺のせいで、ひかりを不幸にしてしまった。」と言って涙を流し、「許してくれ。」と、私に深く頭を下げた。

シュウの涙を見て、私はやっと気付いたんだ。
また、私は自分のことだけ考えてたんだってことに。
シュウは元の世界の戻って来たことを喜ぶどころか、私を不幸にしてしまったってずっと苦しんでたんだ…って。



そこから,私はようやく気持ちを切りかえることが出来た。
私は慣れさえすればこの世界で生きていける…でも、シュウはそういうわけにはいかない。
だからこそ、私はこっちに来る事を決めたんだから、その決断を後悔したくないと思えるようになった。
私は見知らぬ世界に来てしまったけど、大好きな…そして、私のことを決して裏切ることのないシュウと一緒にいる。
それは、とても幸せなことなんだと心から思えた。
まだこっちに慣れるには時間がかかるかもしれない。
不安になることもあるかもしれないけれど、私にはシュウという心強い味方がいる。



(シュウと一緒ならきっとどんなことも乗り越えられる…!)



私は自分に何度もそう言い聞かせ……
そして、少しずつこのおかしな世界に馴染めるようになっていった。






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