青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


……自分が今、すごくもったいないことをしてるの、わかってる。

馬鹿なこと、してる。

昨晩散々考えて考えて、それでも結論は同じだった。


あたしは、池谷くんが好きだ。


叶わない恋をしている、彼の視界に映ってみたい。

そんな無謀な恋心で、今あたしはトモを傷つけている。

ひとりの大切な友達を、失おうとしている。

………でも。


もうあたしは、逃げ出したくない。


「………うん。いいよ、わかってたし」

トモは優しい声で、「顔、上げて」と言う。

そして、あたしの顔を見て、ふはっと笑った。


「……なんで、麗奈ちゃんが泣きそうになってんの」


いつの間にか浮かんでいた涙を拭って、唇を噛む。

……だってさぁ。

トモ、いい奴すぎるんだもん。

こんなガサツな女を好きになってくれるの、トモくらいだ。

気が合う、仲だった。

一緒に話してて、すごく楽しい。

……そんな人を振ってる自分が、ものすごく嫌な奴に思えて、どうしようもない。


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