青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
◆第三章

彼と彼女の関係



トモに返事をしてから、土日を挟んで、月曜日。

夏休みまで、あと一週間になった。

教室へ入ると、利乃はもちろん、池谷くんとトモも、いつも通りにおはようと言ってくれた。

…トモは『これからも友達』と言っていた通り、気まずさなんてこれっぽっちも感じさせないほど、いつも通りに接してくれた。

あたしがフったことに関して、彼は何も言わないから。

あたしも、何も言わずに過ごすことにした。


「小城さん」


昼休み。

よく通る優しい声が聞こえて、携帯を見ていた顔を上げる。

見えた姿に、どきりとする。

机の前にいたのは、案の定池谷くんだった。

「な…なに?」

彼を好きだと認めてから、なんだか上手く顔が見れない。

戸惑いながら目を合わせるあたしに、彼は「利乃は?」と言った。

その言葉に、どく、と心臓が嫌な音を立てる。


「……え。あ、利乃は…」


……やだな、あたし。

なに、利乃に嫉妬してんだろ。

仕方ないんだってば、幼馴染なんだから。


< 103 / 380 >

この作品をシェア

pagetop