青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
◆第三章
彼と彼女の関係
トモに返事をしてから、土日を挟んで、月曜日。
夏休みまで、あと一週間になった。
教室へ入ると、利乃はもちろん、池谷くんとトモも、いつも通りにおはようと言ってくれた。
…トモは『これからも友達』と言っていた通り、気まずさなんてこれっぽっちも感じさせないほど、いつも通りに接してくれた。
あたしがフったことに関して、彼は何も言わないから。
あたしも、何も言わずに過ごすことにした。
「小城さん」
昼休み。
よく通る優しい声が聞こえて、携帯を見ていた顔を上げる。
見えた姿に、どきりとする。
机の前にいたのは、案の定池谷くんだった。
「な…なに?」
彼を好きだと認めてから、なんだか上手く顔が見れない。
戸惑いながら目を合わせるあたしに、彼は「利乃は?」と言った。
その言葉に、どく、と心臓が嫌な音を立てる。
「……え。あ、利乃は…」
……やだな、あたし。
なに、利乃に嫉妬してんだろ。
仕方ないんだってば、幼馴染なんだから。