青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
「……幼馴染だけど」
そう言うと、彼女たちは苛ついたように「付き合ってんのかって聞いてんだよ!」と声を荒げた。
…あーもう、うるさい。
話があるから来いって言うから、せっかくの麗奈ちゃんとのお喋りの時間を割いて、律儀に来てあげたのに。
いきなりまくしたてられて、耳が痛いんだけど。
中学の頃から、このいわゆる『呼び出し』っていうやつは、何度か経験してきた。
だから、慣れっこではあるけど。
「…付き合ってないよ」
「まじで?じゃあ、何であんなに一緒にいるんだよ。好きなんでしょ?池谷くんのこと」
リーダー格らしき派手な女子が、小馬鹿にしたように笑う。
私は彼女を、冷たく睨んだ。
「あんたたちに、答える必要ある?」
女子は私の言葉に、カッと眉を上げた。
「なら、他の男に色目使うなっつってんだよ!キモイんだよお前!」
「なに、慎ちゃん以外の男子と喋るなって言いたいの?」
楽しければ女子でも男子でも、話しかけるし。
それで男子が私のことを好きになるって言われたって、そんなの知らない。