青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
そして、へへっと笑う。
…な、なに。
「おはよー、麗奈ちゃん」
池谷くんの横から離れて、トモはあたしの横に並んでくれた。
「…おはよ」
「ハハ、慎也に利乃ちゃん取られたから、拗ねてんの?」
「すっ、拗ねてない!」
思わず声を上げると、池谷くんと話していた利乃が、「えっ!?」とすかさずこっちを向いてきた。
「麗奈ちゃん、拗ねてるの!?私がいないと寂しいの!?」
「違うから!」
「照れなくていいよ、麗奈ちゃん!私のいちばんは麗奈ちゃんだから!」
そう言うと、利乃はぎゅっと抱きついてきた。
「麗奈ちゃんも、私のこと大好きだもんねーっ」
「ば、ばか利乃っ……」
そこで、池谷くんがぽかんとしてあたしを見ているのに気づく。
わーっ、恥ずかしいんですけど!
「暑苦しい、離れろ!」
「やだぁーっ」
トモが、面白そうに笑う。
すれ違う生徒達も、あたし達を見てる。
男子は利乃に抱きつかれているあたしを、羨ましそうに見てて。
女子は騒ぐあたし達に、迷惑そうな視線を向けてくる。