青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
水が流れる音が、響いている。
彼の透き通った瞳に、あたしが映っていた。
「『慎也』って呼んでも、いいですか!」
…顔の温度が、急激に上がっていく。
恥ずかしさで目をそらしそうになったけど、耐えた。
池谷くんは、何も言えずにあたしを見ている。
……見てるんだ。
彼は今、確かにあたしを見ているんだ。
そう思ったら、じわりと涙が浮かんで、視界を歪めた。
せめてこぼれないように、こらえる。
すると、池谷くんは何も言わずに、蛇口から出ている水へ手を添えた。
そして。
ーーパシャッ。
……あたしの顔へ、水をぶっかけてきた。
「わっ、!?」
いきなりのことで、目を閉じる。
池谷くんは容赦無く、どんどん水をかけてくる。
ええ、なに!?