青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
…夏祭り、か。
みんなが再び歩き出す中、あたしはちょっとだけ立ち止まって、ポスターを見ていた。
花火が描かれたそれに、祭りの光景を思い浮かべる。
『俺も、行くよ』
…慎也と一緒に、行けるんだ。
そう思ったら、一気にワクワクしてきた。
同時に、ドキドキもする。
…うん、楽しみだ。
月曜日は、一学期の終業式。
あたしはふふっと笑って、歩き始めた。
*
月曜日。
終業式が終わり、私と麗奈ちゃん、慎ちゃんとトモくんで帰ろうと思っていたら。
用事を済ませて、待ち合わせ場所の昇降口に行くと、そこにいたのはふたりだけだった。
「あれー、トモくんはー?」
ふたりのもとへ歩きながら、尋ねる。
慎ちゃんは困った顔をして、「なんか、用事があるって」と言った。