青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「…池谷くん、変」

「ハハ、よく言われる」

そう言って穏やかに笑う池谷くんを、あたしは頭の芯が熱くなるのを感じながら、見つめていた。


…変だ、彼は。

あたしから見える席に座っている彼は、授業中、ときおり窓の外を眺めている。

普段からぼうっと雨を眺めているあたしは、同じように窓を見つめているその綺麗な横顔に、すぐに気づいた。


…彼の目は、いつもどこか遠くを見ていて。


その不思議な雰囲気に、女子も男子もガツガツとは近寄れない。

中学からの友達である、利乃とトモくらいだ。


彼との距離が、こんなにも近いのは。






「……最悪……」


七月も、中旬に入った。

あれから、あたしと利乃、池谷くんとトモの四人でいることも、多くなっていた。

そんな日の、放課後。

あたしは昇降口で、外を見つめて立ち尽くしていた。


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