青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



あたしも服を見ながら「ハイハイ」と適当に返事をしていると、利乃がむっと頬を膨らませた。


「言っとくけど、二日後、麗奈ちゃんがそうなるんだからね!私じゃなくって、麗奈ちゃん!」

「………わかってますよー」

照れ隠しに、顔をそむける。

利乃は腰に手を当てて、「全くもぉー」なんて大げさに肩をすくめた。


「一気に距離を縮める気でいなきゃ、ダメだよ!それこそ、告白でもする勢いで」

「こっ!?」

甘いものが食べたーい、と言う利乃についていき、フードコートへ歩く。

利乃のぶっとんだ言葉に、あたしは目を見開いた。

「なーに驚いてんの、いずれはしなきゃいけないんだから。あ。むしろ慎ちゃんからさせちゃう?惚れさせちゃう?」

「そっ、それは無理だけど!告白、とか………まだ、できない」

美味しいクレープのお店の前で、利乃はあたしを見て首を傾げた。


「……なんで?」


それぞれにクレープを注文して、お店の前で待つ。


< 165 / 380 >

この作品をシェア

pagetop