青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


クレープを美味しそうに食べる利乃を見つめて、そんなことを思う。


明後日は、夏祭り。

去年は行けなかったから、密かにものすごく楽しみだったりする。

…慎也と見る、花火。

利乃は『ロマンチック』とか言ってたけど。

とりあえず、また慎也との距離がちょっとでも縮まれば、あたしは満足だ。

…彼の好きな人は、一体どんな人なんだろうとか。

どういう関係なんだろうとか。

ずっと実ってないってことは、フラれても思い続けてるのか、事情があって告白できずに、ずっと片想いしてるのかとか。

……気になることが、たくさんあるけど。


水飛沫の間から見えた、あの楽しそうな彼の笑顔が、また見れたら。


…あたしはそれだけで、いいんだけどな。






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