青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


…もしかして、利乃…わざと、違う時間を慎也に教えたんじゃ。

そんな考えがよぎったけど、違う違うと振り払った。


「それより、みんなは?」


あたしの近くに誰もいないことを確認して、慎也が眉を寄せる。

利乃、慎也に連絡してないのかよ!


「あー…それが、さ。利乃とトモ、今日来れないって」

「…え」


固まった慎也の顔に、うっとショックを受ける。

や…やっぱ、あたしとふたりなんか、嫌だよね。

誤魔化すように、口を必死に動かした。

「な…なんかね。利乃の家、今親戚の子預かってるらしくて。でも親が出かけるから、家にいなきゃ行けなくなったって」

「………そ、か」

あたしの表情の焦りに気づいたのか、慎也は「仕方ないね」と笑ってくれる。

けど、その顔は少し悲しげで。

「トモは?」

「別の友達に誘われたって。断りきれなかったらしいけど…もしかしたら、会えるかも」

そしたら文句言ってやろ、と笑う。

あたしを見て、慎也は目を細めた。


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