青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
「おはよ、麗奈」
「あ…お、おはよ」
返事がぎこちなくなる自分が、ものすごく情けない。
意識しちゃダメ、意識しちゃダメ。
そう思うのに、やっぱり彼の視線の先を追ってしまって。
「り…利乃!それで、なにがあったの」
明るく振舞おうと思い、ニコニコと笑う。
トモと笑いあっていた利乃は、あたしの言葉に「…あー」と力なく笑った。
「……うちのおかーさん、再婚するかも」
……え。
あたしとトモの顔が、固まる。
…慎也は、信じられないという風に目を見開いていた。
利乃はそんなあたしたちに、「アハハ、もお、わらっちゃうよねぇ」と強がるみたいに笑った。
「…昨日ねぇ、家に帰ったら、いたの。その人が。実は前にも一度会ってるんだけどさ。…フツーに、そこに座ってんだよね。まるで家族みたいに」
ホントびっくり、と利乃はまるで他人事のように笑うけど。