青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
「慎也が東京に行ってからの一年間、ふたりに何があったのかはわかんない。けど利乃ちゃんは、慎也は麗奈ちゃんと幸せになって欲しいと思ってる」
…でも、それで。
それで利乃は、幸せなの?
「でも慎也と利乃、なんか辛そうだよ」
「うん。…慎也もたぶん、利乃ちゃんが自分から離れようとしてるのに気づいてるんだと思う」
「…なんで、離れるの?利乃は、なんで慎也の気持ちに応えてあげないの…?」
「それはたぶん…これは、俺の憶測だけど」
トモは、苦しそうな顔をして、言った。
それはとても、切ない理由で。
「気づいたんだよ。あのままじゃふたりとも、前に進めないって」
…『依存』。
その言葉の持つ意味を、あたしは初めて知った。
切れていた糸が、繋がっていく。
支え合って生きてる、ふたり。
なくてはならない、存在。
けど、それは…
ひとりじゃ生きていけないって、ことなんだ。