青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
…私のなかから『青』が、消えていく。
愛しい愛しい『青』が、薄れていく。
お願い、だ。
これ以上、私を弱くしないで。
*
三日目の補習、利乃は学校を休んだ。
メールをしてみたら、熱があるらしい。
あたしは帰りに、お見舞いに行くことにした。
…たぶん、今利乃の家には誰もいないんだろうから。
不器用なあたしでも作れるようなおかゆのレシピを探して、材料を買って行こう。
そう思いながら学校を出て、数分後。
携帯が着信で震えた。
「もしもしー?」
相手は、利乃。
彼女はあたしの能天気な声に、ふふっと笑った。
『麗奈ちゃんだぁ』
「…そーだよ。あたしの携帯にかけてきたんでしょーが。で、どしたの?今からお見舞いに行こうと思ってるんだけど」
利乃は嬉しそうに、『ホントー?』と鼻声で言った。