青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


『へへ。なんかねぇ、麗奈ちゃんの声が聞きたいなぁって思って、電話したの。以心伝心かなぁー?』

「…何いってんの。恥ずかしい奴」

『そんなこと言わないでよぉ〜』


…よかった、いつもの利乃だ。

なんだかホッとして、あたしまで笑みがこぼれてくる。


「あ、買い物してから行くね?なんか食べたいものとか必要なもの、ある?」

『えっ、いいの?じゃあねえ、果物食べたい!』


いつも通り、明るい利乃との会話。

…そう、いつも通り、と思っていた。

その中に、一体今までいくつの『嘘』がまぎれていたんだろう。

こんなに一緒にいたのに、あたしは今まで、利乃の何を見ていたんだろう。

でも、利乃が何も考えずに嘘をつくような子じゃないって、わかるから。

……ちゃんと、知りたいんだ。

利乃の気持ち、慎也の気持ち。


あたしはふたりのために、何ができるのか。


…考えなきゃ、いけないんだ。






利乃の家の前に着くと、ちょうど慎也が利乃の家から出てきたところだった。


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