青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


…慎也。

あたしは利乃には到底敵わないし、まだまだダメダメだけど。

でも、この気持ちは本当なんだ。

後悔なんて、しない。

今頃きっと、慎也は困っていると思うけど。

あたしだって、どうしようもないから。


…好きで、ごめんね。






「…………」


麗奈は、逃げるように利乃の家へ入って行った。

俺は立ち尽くしたまま、動けずにいる。

さっきの麗奈の言葉が、ぐるぐると頭の中をまわっていた。


『いつか絶対、慎也のこと好きになってよかったって、思ってやるから』


……ホント、まっすぐすぎる。

なんだ、あれ。

あんなの、はじめてだ。


「………っ、ふは」


おかしくて、なんだか笑いさえこぼれる。

…今まで、告白してくれた女の子はいたけど。

俺が毎回『好きな人がいる』というと、女の子はみんな怒っていた。

『滝本さんでしょ?あんなののどこがいいの!?』

……全然、違うなぁ。

今までの子達とは、全然違う。

俺のことも、利乃のことも好きだからって。

…めちゃくちゃだよ、麗奈。


スゴいよ、ホント。



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