青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
…慎也。
あたしは利乃には到底敵わないし、まだまだダメダメだけど。
でも、この気持ちは本当なんだ。
後悔なんて、しない。
今頃きっと、慎也は困っていると思うけど。
あたしだって、どうしようもないから。
…好きで、ごめんね。
*
「…………」
麗奈は、逃げるように利乃の家へ入って行った。
俺は立ち尽くしたまま、動けずにいる。
さっきの麗奈の言葉が、ぐるぐると頭の中をまわっていた。
『いつか絶対、慎也のこと好きになってよかったって、思ってやるから』
……ホント、まっすぐすぎる。
なんだ、あれ。
あんなの、はじめてだ。
「………っ、ふは」
おかしくて、なんだか笑いさえこぼれる。
…今まで、告白してくれた女の子はいたけど。
俺が毎回『好きな人がいる』というと、女の子はみんな怒っていた。
『滝本さんでしょ?あんなののどこがいいの!?』
……全然、違うなぁ。
今までの子達とは、全然違う。
俺のことも、利乃のことも好きだからって。
…めちゃくちゃだよ、麗奈。
スゴいよ、ホント。