青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


「…ヤバいなぁ……」

その場にしゃがみ込んで、額に手の甲を当てる。

いつも冷たいはずの自分の手が熱くて、困った。

動悸も激しい。

たぶん、顔も赤い。

…自分でも驚くくらいに、揺さぶられたのを感じた。


いつから、俺が利乃を好きだって気づいていたんだろう。

…麗奈の目から見ても、わかりやすかったんだろうか。

それにしたって、麗奈はいつも唐突だ。

夏祭りの日の告白だって、正直びっくりしたし。

まっすぐに伝えてくる麗奈は、俺なんかと違って格好良かった。

俺は、あんなにまっすぐな子には、きっとふさわしくないと思っていたから。

あきらめて、ほしかった。

…けど。


『あたしは慎也の、大切なひとになりたい!』


涙に濡れた瞳で。

それでも強く、俺を見つめて。

堂々と言った麗奈が、俺には少し眩しかった。


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