青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
利乃の言葉が、よみがえる。
『連絡先、聞くの忘れちゃっててさ。手紙とかはやりとりしてたんだけどねー』
…本当に?利乃。
だってこれ、ぜんぶ慎也へ出す前のものだよ。
郵便ポストに、入れてすらいない。
ぜんぶぜんぶ、書いては封筒にいれて、持っていたもの。
…この手紙達に、一体どれだけの想いが綴られているのかは、わからない。
けど、こんなに何通も…
まるで、出せずにいたみたいに。
「……利乃」
今までの、利乃の言葉。
どれが本当で、どれが嘘?
本当に、慎也と離れたいと思ってる…?
ねえ、利乃。
利乃の気持ちが、知りたいよ。