青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
その目は、泣くことを堪えているようで。
…やだ。
やだ、やだ……!
「ごめん、麗奈」
必死に首を横に振るあたしに、慎也は「ごめん」と言う。
「…ごめん、な」
その言葉は、あたしの想いまでぜんぶ、否定しているようで。
ドン、とその胸を押しのけた。
あふれる涙をこらえることができず、唇を噛む。
表情の変わらない彼を見て、苦しくなった。
「…慎也はそれでっ、幸せになれるの!?」
ぎゅう、と手のひらを握りしめて、慎也を強く見つめる。
眉を寄せて立ちすくむばかりの慎也に、あたしは「答えて!」と叫んだ。
「目ぇそらさないで、ちゃんと見てよぉ……!」
苦しくなって、息が詰まって。
あたしはその場から、離れた。
走って走って、学校の近くまで来ると、立ち止まる。
追ってこない足音が、寂しさを募らせて。
目をきつく閉じて息を整えていると、ぽつりぽつりと、雨が降ってきた。
驚いて見上げると、そこには真っ白な雲と、青空が広がっていて。
雲間から、白いくらいの太陽の光がのぞく。
あたしは傘もささずに、それを目を細めて見つめた。