青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
……あたしは、ふたりにとってなんなんだろう。
友達って、なに?
…どうしたら、いいの。
あたしは、どうすべきなの。
*
麗奈ちゃんが家にきた日の、翌日の昼。
私は、慎ちゃんの家を訪ねた。
「…どしたの、利乃」
玄関の扉を開けてくれた慎ちゃんの横をすり抜けて、靴を脱ぎ、「お邪魔します」と言ってスタスタと中へ入る。
そんな私の背中へ、慎ちゃんは呆れたようにため息をついて「おい、利乃」と声をかけた。
「…お腹すいた。何か食べたい」
「は?」
「昨日の夜から何も食べてないの。何か作って、慎ちゃん」
もう昼だっていうのに、まだお母さんは帰ってきていない。
麗奈ちゃんとのことがあって、昨日は部屋で塞ぎ込んでいたし。
料理する気にも、なれなかったから。
リビングへ入る前にそう言うと、慎ちゃんは少しの間私を見つめて、すぐに「…わかったよ」と言ってくれた。
「慎ちゃんのお料理、食べるの久しぶりだね」
今はもうふたりしか座ることのない、食卓。
そのひとつの席に座って、私は台所に立つ慎ちゃんに笑いかけた。