青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
……ごめんね、麗奈ちゃん。
私のことを『ずるい』と言った、彼女。
その通りだとわかっているから、私は何も言えなかった。
麗奈ちゃんが、私のことを嫌いになったわけじゃないって、わかってる。
だからこそ、苦しい。
今まで、あんな風に女の子とケンカすることなんて、たくさんにあったけど。
それはぜんぶ、私が嫌われていたからだ。
けど、麗奈ちゃんは違う。
彼女は、こんな私のことを好きでいてくれる。
だから、どうしたらいいのかわからない。
…私だって麗奈ちゃんのことが好きだから、正直嫌われなかったことに安心してる。
ほんと、ずるい奴。
……最低だ、私。
出来上がったチャーハンが、皿に盛られてテーブルへやってくる。
私は精一杯の笑顔で「わーい、ありがとー!」と言った。
「いただきまーす」
私がニコニコして食べ始めると、慎ちゃんは正面の席について、穏やかに微笑んだ。