青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
『約束だよ』
愛しい愛しい、君だけ。
かけがえのない夏を過ごしたのは、間違いなく君だけでした。
*
「トモー、今日も慎也、来ねえの?」
クラスの友達の家に入り浸るのは、夏休みの恒例みたいもので。
今日も、たまりにたまった課題をこなすという口実のもと、友達の家でゲームをする。
そんな俺の夏休みには、慎也もいることが当たり前のはずだった。
去年は、慎也が東京に行ってたから遊べなかったけど。
…今年も、慎也は俺の近くにはいない。
「…んー、なんか、最近メールしても返信ねえ。電話しても出ねえ」
「まじかよ。とうとう嫌われたんじゃねえの、お前。ウザいから」
「ウザい言うな。俺と慎也の仲に誓って、それはないね」
…なんて。
いつも通り、根拠のない自信を言葉に乗せてみる。
いや、中学の頃はあったんだ、根拠。
慎也は俺にとって、いちばん仲の良い友達で。
カッコいい容姿持ってるくせに、全然鼻にかけてないし。
それでいて性格良すぎるから、逆に憎らしくなるほどだ。
…今年の夏休みは、慎也も隣でゲームしてるはずだった。
けどあいつ、最近になってメールにも電話にも反応しない。