青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


けど、慎也が東京へ行く前に、そんなやりとりがあったなんて。

…知らなかったから。


少し悔しくて、悲しかった。


俺だって、ふたりのこと見てきたんだ。

心配だってしたいし、相談にだってのりたい。

そう思ってメールしてんのに、慎也は全然返信してこないし。

そりゃ、自称親友の俺としては、落ち込みますよ。

利乃ちゃんのあんなに泣いてる姿を見ちゃったわけだから、あんまりお節介も焼けないし。


…人って、変わるもんなんだな。


漠然と、そう思う。

慎也と利乃ちゃんは、きっともう前のような関係には戻れない。

どっちかが離れようとしてるんだから、既にバランスは崩れてる。

なんか、寂しいな。

このまんま、ふたりは離れていくんだろうか。

麗奈ちゃんと慎也が、付き合って。


そしたら、利乃ちゃんはどうなるんだろう。


そう思うと、急に不安に駆られた。

…あんな状態の利乃ちゃんを残して、麗奈ちゃんだって安心してられないだろ。

麗奈ちゃんのことだから、慎也より利乃ちゃんを心配するかもしれない。



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