青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
だって、麗奈ちゃんに片想いしてた頃、俺は誰に妬いてたかって、利乃ちゃんだ。
あのふたり、見てるこっちが照れるくらいに仲が良い。
カップルかよって言いたくなるほど。
俺が見てた限り、利乃ちゃんは中学の頃に特定の女の子の友達はいないみたいだったから。
きっと、ものすごく麗奈ちゃんのことを大切にしてるんだろうな、と思った。
けど、麗奈ちゃんは気づいてしまった。
利乃ちゃんが、しようとしてること。
もしも麗奈ちゃんが、今頃何か行動してるとしたら。
ふたりの関係は、崩れてるはずだ。
麗奈ちゃんはいつだって正直だから、嘘なんてつかれたくないだろうし。
…こうやって、バラバラになってくのかな、俺たち。
そのなかで、俺は見てることしかできないのかな。
テレビゲームの画面を見つめながら、利乃ちゃんの言葉を思い出す。
『……私がいると、慎ちゃんがダメになる。…私が慎ちゃんを、ダメにする』
…ほんとに、そうでしかないんだろうか。
こんな風に、互いに苦しみながら離れるって方法しか、ないんだろうか。
それってなんか、すげえ悔しい。
もっと四人で遊びたいし、ホントは夏祭りだって、四人で行きたかった。