青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
携帯を見ながら、思わず眉を下げて笑ってしまう。
【相談したいことがあります】
……ほら。
やっぱり俺たち、気が合うね。
*
メールをすると、トモはすぐに返信してくれた。
待ち合わせは、学校の近くの公園。
場所を決めてから家を出たあたしは、急いで電車に飛び乗った。
トモは既に外に出ていたみたいだったから、場所につくのも早くて。
頑張って走ったけど、三十分も待たせてしまった。
「ご、ごめっ……はぁ、はぁ」
「アハハ、超息切れてんじゃん。俺が会って話したいって言ったんだし、俺こそごめんな」
公園に生い茂る、緑色の木々。
あたしはその陰が覆うベンチに座って、トモは近くの木の幹に寄りかかる。
走ったせいもあって汗だくになったあたしを、トモは面白そうに笑った。
「麗奈ちゃん、顔真っ赤」
「…悪かったね。だって暑いんだもん」
ふー、と息をついて、パタパタと手で顔を仰ぐ。
公園では、小さな子供達が楽しそうにボールで遊んでいたり、虫取りをしたりしていた。
残りの夏を精一杯に生きる蝉たちが、わんさか鳴いている。
あたしはそんな、どこにでもある夏の光景を、目を細めて見ていた。