青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


『ごめん、いきなり。授業とか、大丈夫?』

「だ…大丈夫!たぶん!」

電話ごしなのに、思わずコクコクと頷いてしまう。

そしたら、また笑われた。


『頷きすぎでしょ』


…え……

顔を上げて、前を見る。

…こっちを見て笑う、慎也の姿があった。


「……慎也!」

「ごめん、心配かけて」


駆け寄って、顔を見上げる。

…目が、少し腫れてる。

泣いたん、だろうな。

利乃が一緒じゃないってことは、ひとりであたしに会いに来てくれたって、思っていいのかな。

利乃は…たぶん、トモがいてくれてる。



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