青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
…もともと、勉強なんかするタイプじゃない。
成績なんか、下がる一方だ。
そして、進路調査票に何もかけないまま、数日が経ったある日の朝。
俺はものすごく、不機嫌だった。
兄貴がまた何かやらかしたのか、親は不機嫌で。
朝食をとっていた俺にまで、期末テストの結果をぐちぐちと言ってきた。
完全にとばっちりだ。
兄貴が親を怒らせなきゃ、俺は何も言われなかった。
イライライライラ。
今にも舌打ちをしそうなほど苛ついた顔で、教室へ入る。
普段能天気に過ごしている俺が、こんな風になっているのは初めてだからか、みんなが驚いた。
そして、執拗に心配してくる。
いや、嬉しいけどさ。
心配してくれるのは、ありがたいんだけどさぁ。
みんなの言葉を聞いていると、無理にでも笑わないといけない気がした。
『いつも笑ってる俺』じゃないと受け入れてもらえない気がして、怖くなった。
『あーー……だりぃ』
そんなことをつぶやきながら、昼休みは誰にも何も言わずに、屋上へ行った。