青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


なんだか何もかもが面倒になってきて、弁当もそのまま開けずに置いた。

静かな屋上で、ごろ、と寝転がる。

見える空は、悔しいほどの快晴だった。

『……はぁ』

ため息をついて、目を閉じる。

柔らかく吹いてくる風が、心地良かった。



『……大丈夫?』


突然頭上から降ってきた声に、目を開ける。

心配そうな目をした女子が、かがみこんで俺を見ていた。

『……え』

『あ、いや、具合悪いのかと思って…』

ホラ熱中症とか、というその女の子に、『いや』と俺は首を横に振った。



『…別に、なんもない…です』


一応敬語を、と思って付け足したとき、彼女の校章の色が自分と同じなことに気がついた。

学年ごとに、色分けされた校章。

この子、俺と同じ学年だ。


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