青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
目を閉じて、優しい風に当たる。
空はどこまでも青くて、雲はゆっくり動いていて。
さっきまでイライラしていた気持ちとか、友達は俺をどう思っているんだろうとか、進路への焦りとか不安とか。
…そういうので気が立っていたのが、少しずつ落ち着いていく感覚した。
すぅ、と静かに深呼吸をする。
……吸い込んだ空気は冷たくて、それでいて澄んでいた。
『……そう、だよなぁ』
一度こんなことがあったからって、みんなが俺のことを嫌いになったわけじゃない。
麗奈ちゃんみたいに、受け入れてくれる奴もいれば、受け入れてくれない奴もいるかもしれない。
…俺は好きなように、怒って泣いて、笑えばいい。
『雲は、いいよなぁ〜』
羨ましいほど真っ白で、マイペースに空の海を流れている。
どこまでも色褪せない青空が、支えてくれてるみたいで。