青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
…でも。
それであたしはあたしを、変えることができるんだろうか。
トモの優しさに甘えて、あたしもなんとなく彼のことを好きになって。
…あたしの『大切な人』は、トモになるんだろうか。
汗が、たらりと首筋を伝う。
コンクリートで舗装された、歩道が熱い。
…なんか、違うって思った。
トモと付き合うのは、何かが違うって。
それがなんなのか、わからない。
…ただ、わかるのは。
隣にいる池谷くんの存在が、あたしを引き止めるっていうこと。
「……小城さん、大丈夫?」
その声に、ハッとした。
揺らいでいた視界と意識が、はっきりしてくる。
…ヤバ。暑さにやられてた。