青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
……いいな、いいな。
あたしも、その視界に入ってみたい。
彼の世界を、見てみたい。
触れてみたい。
あんなにも優しい言葉を紡ぐ彼の世界を、海になりたいと言う、その瞳の先を。
……知りたいよ。
それだけじゃ、ダメですか。
彼を好きだと思う理由には、なりませんか。
*
「トモ、ごめん」
翌日。
あたしはトモを屋上に呼んで、告白の返事をしていた。
ぎゅ、と手のひらを握りしめる。
夏の日差しが、あたしたちの肌を焼く。
濃い影が、屋上の白いコンクリートに伸びていた。
「トモとは付き合えません。ごめんなさい」
バッと頭を下げる。
緊張とか色んな感情がまざりあって、どうにかなりそう。