青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



……いいな、いいな。

あたしも、その視界に入ってみたい。

彼の世界を、見てみたい。

触れてみたい。

あんなにも優しい言葉を紡ぐ彼の世界を、海になりたいと言う、その瞳の先を。

……知りたいよ。

それだけじゃ、ダメですか。


彼を好きだと思う理由には、なりませんか。






「トモ、ごめん」


翌日。

あたしはトモを屋上に呼んで、告白の返事をしていた。

ぎゅ、と手のひらを握りしめる。

夏の日差しが、あたしたちの肌を焼く。

濃い影が、屋上の白いコンクリートに伸びていた。


「トモとは付き合えません。ごめんなさい」


バッと頭を下げる。

緊張とか色んな感情がまざりあって、どうにかなりそう。



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