神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
・落ち込みます
ソファに座ってぼんやりしていると、ため息が出る。
あれから奈々ちゃんはすぐに目を覚ました。
風牙くんは彼女に、軽い貧血で倒れたんだという説明をして、家まで送っていった。
奈々ちゃんは何の疑問も持たず、納得したみたい。
憑依された影響はほとんどなさそうだとあとで聞いて、安心した。
「はあぁぁぁ……」
テレビからは、恋愛ドラマが流れている。
お母さんは夜勤だし、お父さんはいつもの出張。帰ってくるのは何日後だっけ。
いつもはそれがちょっと寂しかったりするんだけど、こういうときは便利なのかもと思う。
放課後のことを考えると頭が痛くなるので、あたしは恋愛ドラマに集中しようとしていた。
主役は大人気の俳優さんで、あたしも大好き。
地味でさえない小説家が、イケメンのSPに守られるという、まるで漫画みたいな設定のドラマ。
『俺が必ず、あなたを守ります』
画面の中のアラサー俳優さんが、きりっとした表情で言う。
ああ、なんて素敵なお顔。素敵なバリトンボイス。素敵な筋肉。