神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
途中から自分でも何が言いたいか、わからなくなって。
ただの言いがかりみたいになっちゃって、情けなくて、泣けてきた。
うつむくと、頬をつたって滴が落ちていく。
あぁ、こんなんじゃまた四郎くんに怒られる……。
そう思ったら、ますます顔が上げられなくなった。
「……たしかに我には、この時代で生きる苦しみはわからない。
けれど……」
いつもより少し低い四郎くんの声が、ぽつりぽつりと頭の上から落ちてくる。
じっとしてそれを聞いていると、ささやかな布擦れの音がした。
「……異能を持って生まれた苦しみは、わかっているつもりだ」
ふわりと、全身をぬくもりに包まれる。
急なことに驚いて顔を上げようとしたけれど、それはかなわなかった。
ぎゅっと背中に回された腕の力を感じて、どくんと心臓がはねあがる。
あたしは四郎くんに抱きしめられて、顔をその胸に押し付けている状態なのだと気づいた。
「人と違うというだけで、どれだけの孤独にさいなまれるか、それはわかっているつもりだ」
繰り返された言葉が、すんなりと耳から入って、胸に落ちた。