神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「僕から見ると、きみたちは全員同じような普通の子供だよ」


普通の子供……。


産まれた時から、その言葉とはかけ離れて生きてきたあたしたちだけど。


大人の目から見たら、普通の子たちと何も変わらない?


そんなことって、あるのかな。


……そうだと、嬉しいんだけどな……。


「それにしても、彼はいつまでここにいられるのかな」


先生がぽつりとこぼした言葉に、思わず彼の横顔を見上げる。


「オロチを倒したあと、いったいどうやって生きていくのかな。

僕はそれが、ちょっと心配だよ」


「それは……今みたいに、周りに催眠とかかけて……」


「大人になっても?

みんなが社会に出ていって、誰かと家庭を築いて、年老いて……そのとき彼は、どうしてるのかな。

そんな小手先の手品みたいなものでなんとかなるほど、人生は甘くないよ」


先生が話すたび、胸がゆっくりと締め付けられるような気がした。


四郎くんは、この世界で、幸せに生きていける?



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