神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
・素顔を見せて
家に帰ると、昼勤だったお母さんがカレーを作って待っていてくれた。
お父さんも久しぶりに帰ってきていて、あたしを待ち構えたかのようにぱっと顔を輝かせた。
「四郎くん、今日は四郎くんの好きなカレーよ!
たくさんおかわりしてね」
「美心~、お父さんなあ、仕事先で美心の好きそうなものたくさん買ってきたんだよ~」
「わあ……おかえりなさい。ありがとう」
お父さんからなんかよくわからない、新撰組の羽織を着たクマのストラップだとか、ゆるキャラのぬいぐるみだとかを受け取り、部屋に向かう。
気づけば、あたしの部屋はお父さんの出張のお土産で埋もれていた。
あたし……愛されてるんだなあ……。
制服から着替えて部屋から出てくると、同じように似合わないTシャツとジャージで出てきた四郎くんと目があった。
「腹が減った。
相変わらず食欲をそそるにおいだのう、母上のカレーは」
「そうだね」