神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
†二幕
・消しちゃった
一人であたふたしていると、突然教会のドアが開いた。
もしや、さっきの化け物かと思って背中が凍るけど、現れたのは見知った人物だった。
「風牙くんに雷牙!」
「美心!?大丈夫か?」
「すげー物音がしたけど、何だったんだ?」
こっちが聞きたいよ。
瓦礫をまたぎながら近づいてくる兄弟に、かいつまんで事情を説明した。
「はああ?神様にお願いしたら、これとでかい蛇が空から落ちてきただぁ!?」
雷牙は信じられないというような顔で、天草さんを指さした。
「蛇……なのかな。大きすぎて全体が見えなかったけど、しっぽが何本もあるみたいだったよ」
あたしがしどろもどろに説明すると、風牙くんが眉をひそめる。
「まさか……」
「なんだよ、兄貴」
「いや、今はやめよう。
とにかく、この怪我人をなんとかしなければ」
そう言って、二人は天草さんを崩れた教会から運び出した。