神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
………うそ。
好きって言った。
好きって…………。
「雷牙も風牙も、本当は好きだ。
あいつらは我に遠慮がなくていい」
四郎くんの唇が、にやりと弧を描いた。
その瞬間、かあああと顔に血が上っていく。
だ、だまされかけた!あっぶない!!
四郎くんは何も言えないあたしの顔を面白そうに見つめ、くすくすと笑う。
「お前の父も母も、好きだ。
お前を育ててくれた人たちは、優しくていいな」
「普通の両親だよ……」
「普通の両親がいるだけ、うらやましい」
四郎くんはあたしの頭をぽんぽんとなでると、部屋の天井を見上げる。
「この家全体が、あたたかくていいにおいがする。
だから最初から気に入ったんだ」
「…………」
「そして、ここに住んでいる、お前もな」
油断していたらまた見つめられて、目が合うたびに胸がドキドキする。
痛いくらいに。