神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「それに、浄化能力にも気づいたし!
今までより、上手に対処できると思うの」
「本当にいいのか?」
「うんっ」
だって、不公平じゃない。
ずっと周りに守られてのほほんとすごしてきたあたしを、ずっと戦い続けてきたあなたが守るだけなんて。
四郎くんは迷っていたようだけど、ベッドの上で正座して待つあたしに降参したみたい。
呆れたように笑うと、ずいっと体ごと顔を寄せてきた。
「……そんな口実を使わずに、口を吸ってほしいのならそう言え」
「口実?え?」
どういうこと?
至近距離の四郎くんにドキドキしながらも首をかしげると、彼はおかしそうにぷっとふきだした。
「お前にそんな器用なマネができるわけもないか」
そう言うと彼はあたしの右手をとり、手首にそっと口づける。
柔らかい感触のあと、体から力が抜けていくような感覚がした。
あたしの中にあった四郎くんの気が、彼に返っていく。