神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
・どうしちゃったんだろう
お祭り当日、あたしはお母さんに浴衣を着せてもらっていた。
「いつ出番があるかと思って作っておいて良かったわ~!
やっと美心も、おしゃれして出かけるようになったのねえ……」
くうう、とお母さんは嬉しそうに言った。
去年こっそり作っておいてくれたという浴衣は、白地にピンクの花の模様が散っていて、まさに乙女!って感じ。
下着が透けやしないか?
それ以前に、あたしはこれを着こなせるの?
色々不安はあったけど、お母さんに任せてなんとか着付けが終った。
最後に帯を整えながら、お母さんが言う。
「嬉しいな……」
「え?なにが?」
「美心は今まで、お友達と出かけることがほとんどなかったでしょ?
ちょっと心配してたの」
「…………」
「だから、こうして外へ出ていく気になってくれて、嬉しいの」
同行するのが男の子ばかりだと言うとさすがに心配するかなと思って、お母さんには奈々ちゃんと現地で会うことになっていると説明しておいた。
お母さん……嘘をついてごめんなさい。