神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
†五幕
・気づく前に、気づかれた
久しぶりの学校は、意外なほど静かだった。
あのあと3日熱を出して寝込んだあたしは、食堂でみんなとお昼を過ごしていた。
「もう誰もあの話、してないんだね」
お祭りで、突然多くの人が倒れたというニュースは、大々的に報道されていたはずだけど。
「倒れたときに怪我をした人もいるからな……身近すぎるところで信じられないことが起きたから、あまり口にするのがはばかられるんじゃないか?」
「怖い話って、集まってすると恐怖が倍増するもんなー」
風牙くんの意見に、雷牙が同意した。
そっか……みんな、なんとなく不安を感じてるんだ。
スサノオ兄弟は二人とも、今日はから揚げ定食をほおばっている。
あたしはなんだか食欲がなくて、お弁当をつつく箸を置いてしまった。
「というか……」
「なんで二人仲良く同じ弁当食ってんだよ」
「しかもそのクオリティは、おばさんのものではない」
二人はあたしと四郎くんのお弁当を指さし、頬を膨らませた。