神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
教室に戻ったのは、昼休みが終る直前だった。
夏の制服を着た四郎くんが、同じように半袖ブラウスを着た女の子たちに囲まれていた。
「……そろそろ本当のことを教えてよ、天草くん」
「美心ちゃんとつきあってるの?」
また同じようなセリフが聞こえて、ぎくりとする。
どうして女の子たちって、そういう話題が好きなんだろう。
「お祭り一緒に行ったんでしょ?」
それがなんなのよ。
いいじゃん、あたしだって男の子と行っても……。
「……気にすんなよ。いつもの調子でかわしてくれるさ」
雷牙はそう言ってくれた。
彼女たちはまだあたしの存在に気づいてないみたい。
席について、早くチャイムが鳴るように祈る。
そのとき、ふと顔を上げると、槙原くんと目があってしまった。
そして、すぐにそらされる。
これは気まずい……非常に気まずい!
「だから、何度も言っておろう」
四郎くんのうんざりした声が聞こえた。
「我は美心とはなんでもない。
あれとどうこうなろうなどとも、考えたことはない」