神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「えー……前から連絡してあった通り、この時間は避難訓練の時間です。

放送が入ったら、ただちに避難して……」


先生の話が、耳に入って来ない。


油断したら涙がこぼれそうになって、慌てて教科書で顔を隠した。


気持ちを落ち着かせようとしているうちに、どんどん授業は進んでいく。


そのうちに、けたたましいサイレンの音が放送された。


「うわ、ビックリしたー」


みんなはそう言う。


「ふざけちゃいけません。

さあみんな、避難しましょう」


先生は真剣で、さっさと生徒たちを誘導していく。


室内用のスリッパのまま校庭に出ると、すでにほとんどの生徒が整列していた。


やけに暗いなと思って空を見上げる。


さっきまで晴れていたのに、いつの間にかどんよりとした雲が広がっていた。


まるで、お祭りの夜のような……。


「クラス委員は、点呼をして担任に報告して……」


拡声器からそんな声が聞こえるけど、あたしは空を見上げたままだった。


なにか嫌な感じがする……。


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