神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
校庭では、集まった生徒たちの守護霊や先祖霊まで整列している。
そんなものじゃなくて、もっと嫌なものの気配を感じる……。
「おい美心、整列しろよ」
雷牙の声がかかる。
その瞬間、空を一羽のカラスが飛んでいった。
なんだろうと思う暇もなく、それは一枚の黒い羽を落とす。
「カラス……?」
飛んでいったと思ったそれは旋回して戻り、バサバサと黒い翼を羽ばたかせる。
「四郎!あれ……」
同じように気配に気づき空を見上げた雷牙が、四郎くんを呼ぶ。
寄ってきた彼も空を見上げ、眉をひそめた。
「……大群だな」
「あれって、普通のカラス……」
「じゃ、なさそうだ」
四郎くんが言う通り、西の空から黒い点の群れが近づいてきた。
あっという間に空を覆い尽くしたそれは、何百羽というカラスだった。
「なんだあれ……!」
生徒や教師たちも、異常な事態に気づき、おびえはじめる。
一枚、また一枚と黒い羽が生徒たちの頭に落ちた。