神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「ぐわぁっ!」

「ぎゃああ!」


あっという間に全校生徒が鬼のような形相に変わってしまった。


「ひどい……!」

「こういうことをするのが、オロチの趣味だ」


四郎くんはロザリオに息を吹きかけ、杖に変える。


「色男!どこだ!」


彼が叫ぶと、阿鼻叫喚の渦の中から、風牙くんが飛び出した。


「どうする。人間を傷つけるわけにはいかない」


風牙くんはリングを使わず、防戦一方だったみたい。


「とにかく、あのカラスどもを風で追い払ってくれ。

あれはたぶん、天狗の使いだ」


「て、天狗!?」


そんなものが、どうして?


「天狗もオロチの配下に入ったということか!」


風牙くんが両手を広げると、そこに清らかな風が集まる。


そこからリングを呼び出した彼は、風と共にそれをカラスの群れに向かって投げつけた。


「俺も手伝うぜ!」


ギターを構えた雷牙は、ダウンストロークで雷を起こす。


それは雲のすぐ近くにいたカラスたちに直撃した。


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