神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「怒っているだろう?
不本意だが、お前の怒りがおさまるのなら、我を殴れ」
「ちょ……ちょっと待って。
何の話?」
「祭りの夜のことに決まっておろう」
お祭りの夜のこと……?
なにか、謝られるようなことしたっけ?
「……あんな接吻は、するべきじゃなかった」
四郎くんの声に、どきりとする。
覚えてたんだ……夢じゃ、なかったんだ。
「たくさんの罪で汚れた我が、お前を汚すようなことをしてはいけなかった」
「四郎くん……」
「それでもお前に触れたくて……どう接していいのか、わからなくなった。
そばにいない方がいいのかと思った」
この世のものじゃないような、陶器の人形みたいな顔が、苦しそうに眉をひそめる。
あたしはそれを、不思議な気持ちで見つめていた。
四郎くんが……あたしに触れたい?
そう、言ったの?
「あたし……怒ってなんか、ないよ?」
いきなり何言ってるんだろう。
やっぱり四郎くんは、ちょっと変だ。