神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
二人の焦った様子から、ここには四郎くんの手がかりがないことを、改めて思い知る。
どこにいっちゃったの?
ぽたぽたと、涙がこぼれる。
「本当なのね」
六花さんの声がしたかと思うと、その温かい胸に抱かれた。
「四郎様はきっと、誰より早く気づいて動き出したんだわ」
ぼそりと、小糸さんが言う。
「気づいたって、なにに?」
雷牙の声がする。
顔を上げると、紙井湯先生が口を開いた。
「六花たちが、情報を手に入れたんだよ。
悪妖怪たちが動き出していると」
「え……っ!?」
「妖怪が動き出すのは、ほとんど夜よ。
だから油断していたけど、夜明けごろから尋常じゃない数のカラスが、空を飛んでいたの」
動き出すって……具体的には、何をするつもりなんだろう。
「きっと、四郎を探していたんだ」
風牙くんが静かに言う。
たしかに……オロチが去り際に言い残したセリフを思い出す。