神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


二人の焦った様子から、ここには四郎くんの手がかりがないことを、改めて思い知る。


どこにいっちゃったの?


ぽたぽたと、涙がこぼれる。


「本当なのね」


六花さんの声がしたかと思うと、その温かい胸に抱かれた。


「四郎様はきっと、誰より早く気づいて動き出したんだわ」


ぼそりと、小糸さんが言う。


「気づいたって、なにに?」


雷牙の声がする。


顔を上げると、紙井湯先生が口を開いた。


「六花たちが、情報を手に入れたんだよ。

悪妖怪たちが動き出していると」


「え……っ!?」


「妖怪が動き出すのは、ほとんど夜よ。

だから油断していたけど、夜明けごろから尋常じゃない数のカラスが、空を飛んでいたの」


動き出すって……具体的には、何をするつもりなんだろう。


「きっと、四郎を探していたんだ」


風牙くんが静かに言う。


たしかに……オロチが去り際に言い残したセリフを思い出す。


< 298 / 379 >

この作品をシェア

pagetop