神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「だからって、ひとりにはしておけない」
「妖怪たちと、大野くんたちに任せなさい」
「できません……!」
あたしは勢いよく、首を横にふった。
「四郎くんがあたしを守ろうとしてるなんて、そんなことはわかってます。
だけどきっと、彼だって怖いんです。心細いんです。
そばにいてあげたいんです」
だって、四郎くんはあたしのことを『自分の居場所』だなんて、言ってくれたんだもの。
ずっとずっと、ムリしてがんばって生きてきたあの人が、初めて甘えてくれたんだ。
「それしか、あたしがしてあげられることはないんです!」
彼を救世主とあがめる農民たち。
彼らのために戦いながら、四郎くんはどれだけ虚しかったことだろう。
神聖な存在として、みんなに距離を置かれて、遠巻きにされて。
「あたしは、そばにいたいの……!」
そばにいたい。
どんなに苦しくたって、怖くたって。
いつだって、帰ったらあたしが抱きしめてあげるよって。
彼が不安なときに、微笑んであげられる存在になりたいの。