神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
ぼろぼろと泣きながら訴えると、風牙くんがそっと、紙井湯先生の手をあたしから離させた。
「先生、大丈夫です。
俺たちがついていますから」
「一緒に行こう、美心」
雷牙が肩をたたく。
にっと笑った彼は、とても心強くて、温かかった。
「……若い人たちにはついていけないよ」
紙井湯先生はあきらめたようで、ため息をついた。
「あたしたちもついてるわ」
「先生、この子は弱そうに見えて、とっても頑固なの。強いのよ」
六花さんと小糸さんが、頭をなでくりしてくれる。
「よし、急ごう!
先生、怪我人が出るかもしれないから、その時はよろしくな!」
「……無料の治療なんてごめんだね。
全員無事で帰ってきたら、お茶でもごちそうしてあげるよ」
それは、絶対無事で帰って来いよってことだよね?
素直じゃない先生にお辞儀をすると、あたしは雷牙に右手を、風牙くんに左手をあずけた。
その瞬間、体が宙に浮いたような気がする。
あたしたちは風を切る速さで、学校へと向かった。