神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


杖を片手に、集結した敵の前に一歩踏み出す。


すると、敵はやっと我に気づいたようだった。


「……こんな寄せ集めの軍団で、我を倒そうとはな……。

お前たちの主は、どこに隠れている?」


人語を理解しているのかいないのか、敵はただ獣のように牙をむき、うなる。


そんな奴らに、我は杖をふりかざし息を吸うと、大声で怒鳴った。


「我こそは、天草四郎時貞!

今決着をつけに参ったと、オロチに早々に伝えるがいい!」


妖怪たちは、驚いたように直立不動で、我の言葉を聞いていた。


しかし、彼らは何も答えない。


代わりに、一斉に牙をむき、武器を構え、こちらへ向かってきた。


我は杖を、ぐっと握りなおす。


一番に襲ってきた鬼が、持っていた金棒を振り下ろした。


それをからめとり、受け流す。


体勢を崩した鬼の胸を、一気に杖で突いた。


「こんなものでは、我は倒せんぞ!」


地を蹴り、自ら敵の中心へと向かっていく。


次々に襲ってくる妖怪たちの爪を弾き、腹を蹴り飛ばし、牙の並ぶ口の中へ杖を突っ込んでやった。



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