神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
オロチらしいやり方だ。
やつは、正々堂々などと言う言葉を知らない。
美心に召喚される直前も、なんとか一騎打ちに持ち込んだのだった。
なんだか、すごく昔のことのように思える。
実際、この世界からすれば何百年も昔のことなのだけれど。
美心たちと過ごした日々がまぶしすぎて、過去の残像は薄らいでいた。
しかし、決して消えることはない。
「オロチ!どこにいる!」
我の力を消耗させてから始末するつもりだろうが、そうはいかん。
もうすぐ、生徒たちが登校する時間になってしまう。
そうなる前に……。
「邪魔を……するなぁぁぁぁぁっ!!」
杖を、力をこめて足元の土に突き刺す。
すると我の周りの地面が爆発し、妖怪たちは吹っ飛んだ。
奴らの遺体は、すぐに灰となって消えていく。
我の力を初めて目の当たりにした妖怪たちは、その光景を見て怯む。
我が踏み出せば、奴らが後退する。
「……それぞれの居場所に戻れ。
オロチの影響が消えるまで、多少苦しいだろうが……今まで通り、人間社会に隠れて生きるがいい」